個人で働く理学療法士から医療職へのアドバイス

■理学療法士の勉強会

病院を退職して気がつけば5年が経ちました。
先日、友人の誘いもあり理学療法士の勉強会に参加しました。
地域で働く理学療法士をテーマに若手の療法士向けの勉強だったのですがとても丁寧に話されていて、僕も初心に帰った気持ちで話を聞いていました。

高齢化における課題

 この前の勉強会では将来の高齢者の増加やそれに伴う社会保障費用の増大から話は始まり死に場所の不足まで話は及んでいました。
 僕自身もこれからの時代は予防医学だ!と思い、なんのプランもないままとりあえず病院を退職し、僕の唯一の病院外での経験である体操教室を街中で行うことから活動をはじめました。
 色んな縁があり、講師活動が始まったり、体操教室が続けられたりなんやかんやありましたが、街の中で普通に生活している高齢者をみていて気づくことがありました。

 最初に受けた衝撃

 めちゃくちゃ当たり前なのですが、街中で出会う人は老若男女問わず「普通」です。コンビニで働いているバイトの人も、スーパーでレジをしてくれるおばちゃんも、仕事をしている兄ちゃんも、部活動をしている学生も、仕事をしているサラリーマンも、畑仕事をしたりシルバーさんとして働くじいちゃんも、公民館で体操しているばあちゃんも、みんな普通。

 しかし、この人たちはある日なんらかの病気や怪我をきっかけに病院に入院することになってしまい、体力が落ちて生活に支障が出たり出なかったりしてリハビリの処方がされます。
 僕たちの出番です。
僕たちは患者さんとして出会った人たちがまずは自宅での生活ができるようにと目標を決め、リハビリをして筋力をつけたり体力をつけたり、動作の練習をしたりしながら家に帰れるだけの動作を獲得してもらいます。
 無事退院して、自宅に帰ってからももっと体力をつけた方がいい、何か練習をした方がいいと考えられるとデイケアなどでリハビリを継続します。
 この時に、介護保険を利用してリハビリを継続する場合は社会的に「あなたには介護が必要です。」という烙印を押されます。

本来目指すところは街中で普通に過ごしているあの姿。

 でも、いつからだろうか。

僕は病院で働いて生活動作の獲得を主としすぎたあまりに、いつの間にか介護施設でリハビリを続ける人をよしとしていました。
 なんだかんだでいつになっても元の仕事ができていない高齢者がいたり、シルバー人材での草むしりができないままだったり、公民館で働けなかったりしていました。
 ですがこちらの言い分として正直なところ一回一回の個別リハビリの時間ではそこまで関われないよね、とでも言わんばかりの関わり方になっていたこともありました。

 病院で勤めた5年間は病院で勤めていた時に、毎日熱心に指導してくれた先輩のおかげでデイケアに配属されてからも患者さんの生活や目標を常に考えてリハビリをすることを教えてもらいました。
 とある半身麻痺の男性とのリハビリではキャッチボールをしたり、パソコンでインターネットを使う練習をしたり、運転がしたいととのことでアクセルワークの真似をしてみたり、とその人がやりたい、と思うことをとにかくにやっていました。
その時はいろんなパターンのリハビリをして、本人が挑戦することを楽しんでいたので僕も満足していました。

 でも、「普通ではない、俺仕事もできへんし」と半身麻痺の人に言われました。本当は様々な事情から仕事をしたかったのです。

目標のすり合わせの重要さ

 いざ、街に出て普通に存在している街中の人と出会った時に、一番最初に感じたのは「病院やデイケア、デイサービスでのリハビリの関わり方や目標設定はもっともっと具体的で、普段、何気なく普通に行なっていたことを提案して進めてもよかった」と思ったこと。
 僕たちは患者さんにとって予後予測はお医者さんと同等ぐらいに頼りにしてくれています。そんな僕たちが中途半端な目標を設定したり、目標に対して中途半端な進め方をすると、患者さんもその後の人生が充実したものにならないということ。「役割」を取り戻すことがリハビリにとって大事ですが、やっぱり優先順位とやり方は考慮し、患者さんと話し合う必要があります。

 地域に出て気づいたこと。もし今病院に所属していたら。

 僕自身が地域に出て強く感じたのは、若手の医療職は職場の配置的なことでも複業でもなんでもいいから街に出て多くの人をみて、話をして、差し支えなければ一緒に運動したり食事したりした方がいいということ。
 目標設定の際の提案内容が変わり、話を聴く際にもより具体的な場面が想像でき、リハビリの仕方も治療方針も、変わる可能性があるからだ。
 もし、今改めて病院で勤めていたら若手セラピストほど地域へ出ることを進めると思う。病院で出会えない人とも出会えるし、それが経験となって自分のキャリアに結びつくから。

みんな、街に出よう。

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